業務時間外労働(勉強)について【宅建試験:立場が変われば考えと行動は変わる】
先日、宅建試験があった。
10月のこの時期になると不動産会社の社長達はピリつく。社員達は当たり障りのないようにそーっとすごす。
今日はそのことについて考えてみました。
本当に資格が必要なのか?
いきなり直球な質問です。あなたにとって宅建は必要なのでしょうか?
不動産会社を立ち上げるためには宅建を持っている方が有利です。しかし宅建保持者を雇うことでも代用出来ますので、免許必須というわけではありません。
不動産事務所については、5名に1名以上の割合で専任取引士を置くことが義務付けられています。人数が足りなければ取らなければなりません。これは必須になります。
では、雇われている側だった場合。
会社の規則や雇用条件で定められてる場合以外は、免許は必須ではないです。
けれども重要事項説明が出来ません。
もし、10代や若い新卒の子であれば「頑張れよ!」と言ってもらえるかもしれませんが、先輩の立場になったらそうはいきません。
不動産業の離職率を考えれば3年もやっていれば先輩になってしまうでしょう。
免許を持っている後輩が出てきてしまっては、この時期が来る度に気まずくなっているはずでしょう。けれど、その気まずさはあなただけではありません。あなたに気を使わなければならない周りの気持ちを察してあげて下さい。
こうやって考えると、多くの不動産業者が中小企業かつ、1店舗あたりの人数が少ないことからも、「宅建取得が絶対に必要とされるケース」は少ないように思えます。気まずいかもしれませんが…
資格をとる基準とは
さて、資格をとる基準について自分の意見を述べます。
それは、「その資格を取った後に得られる効用とそれに掛かる時間とコストのバランス」で判断すべきです。
宅建を取るために必要な勉強時間は300時間と言われています。これが自分の立場において見合うかどうか?ということになります。
300時間を時給換算してみると、
300時間×907円(東京都最低賃金)=272,100円
これに受験料7000円が加算されると279,100円
この279,100円に見合った資格かどうか?というのが、一つの判断基準になると思います。
ぱっと浮かぶことは
- 将来独立したい
- 自分で不動産会社を持っている
- 生涯不動産屋として人生をまっとうする
こういう人は取っておいて損が無いでしょうね。
けれども、
- なんとなーく不動産業をやっている
- もうすぐ辞めようと思っている
こういう人は取らないほうがメリットがあるでしょう。
免許を取るとボーナスが貰えるという人もよく考えたほうがよいかもしれません。
当然、資格取得は自分への投資ですが、279,100円は前払いです。
その先のことが見えずにボーナスのためだけに取るというのは、キッカケにはなるかもしれませんが、あまり良い動機とは思えません。
この時期だけ焦っても仕方がない
これは受験する人だけでなく、社員を激励する社長にも言えることです。
私が以前、不動産仲介業で店舗責任者を任されている時、未経験のスタッフを集めて週に3日朝礼時に朝活として不動産関連の本やテキストの輪読をしていました。
これは営業時間内です。
場所柄、朝一に飛び込みでお客さまが来ることは無かったため、応対するスタッフを1人決め、それ以外のスタッフと私で輪読をしました。
輪読資料の作成も営業中のスキマ時間にやって構わないという指示を出していました。たぶん面倒くさがられていたと思いますが、これも業務の一部ということでやってくれており、必然的に知識は増えてきました。
そして、その店舗では宅建初学、不動産業未経験、勉強2ヶ月で一発合格も出ました。
これまで書いたように立場が違えば、資格に対する姿勢やメリット、モチベーションが違います。それを理解した上で勉強をしなければ絶対に受かりません。
宅建を取ることは社員からすれば時間外労働です。それを毎日くどくど言われてはたまったものではないでしょう。
けれども会社側からすれば、社員のあなたが資格を取得することのメリット・・・殆ど無いでしょう。あなたがスグやめてしまうかもしれないし、勉強と称してサボっているかもしれない。それでも歩合を出したり、会社経費で勉強をさせてくれているのです。
取るも取らないも自由。
しかしそれも全て、お客さまのため、一人で仕事を完結することが出来るようになるためだと思います。
これからも不動産業をずっとやっていくなら取るべきでしょうね。
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