どうして不動産屋のテレビCMはお正月に多いのか?【大手と広告とフランチャイズ】
本日よりKTCも仕事始め。年末、お正月と怠けた体にカツを入れ、新たな気持でスタートを切りました。
ところで、お正月といえばこたつに入ってテレビを見ていた方も多いはず。その時、気になりませんでしたか?「どうしてお正月には、不動産屋のテレビCMが多く流れるのだろう?」と。
私自身、10数年不動産業に携わり、毎年思っていました。
単純に、「繁忙期だからテレビCMを打っているのだろう」とも思ったのですが、今日は少しそこを掘り下げていきたいと思います。
2014年 日本の広告費はいくらだったのか?
「2014年 日本の広告費」は6兆1,522億円、前年比102.9%
— 総広告費は6年ぶりに6兆円超え
インターネット広告費は初の1兆円超え
21業種中14業種が前年を上回る
電通の記事によると、広告費は6兆円を超えています。
またこれらの広告は、大きく分けてマスコミ四媒体・インターネット広告費・プロモーションメディア広告費の3つにわけられており、その中でも1番高額な広告費用となっているのが、マスコミ四媒体のうちの地上波テレビです。
2014年の地上波テレビの広告費は1兆8347億円と、全体の30%の額を占めています。
またその中で不動産・住宅設備の地上波テレビ広告費は758億円(構成比4.1%)でした。
http://www.dentsu.co.jp/knowledge/ad_cost/2014/koukokuhi.html
でも、やっぱりお正月は多いよね?
データを探してみたものの月別の地上波テレビ広告のデータが見当たらず、数値を元にした発言は出来そうもありません。しかし、やっぱりお正月の不動産テレビCMって多いですよね。
そこでここからは以前、私が有名不動産フランチャイズグループの店長をやっていた時の話です。
不動産のテレビCMというと大きく分けて3つのグループになります。
- 大手不動産業者のCM
東急、三井といった大手の不動産業者は、正月だから急に増えたということではなく、一年通じて、コンスタントにテレビCMをやっている。 - ポータルサイト広告業者
SUUMO、athome、HOMESといったような不動産ポータルサイトのCMも年中やっていますが、年末頃の繁忙期に入った頃からエンドユーザー獲得のため頻繁に広告をうつ。 - フランチャイズビジネスを行う業者
ピタットハウス、アパマンショップ、ホームメイト、MASTといったフランチャイズビジネスを展開している業者のCMはお正月に入ると増えています。普段テレビCMを一切やらない業者もお正月だけはやっているということが影響している。
大手は1年を通してテレビ広告を行い、ポータルサイト広告業者は繁忙期に入ったため数を増やしているのでしょう。
特筆すべきはフランチャイズビジネスを行う業者の動向です。お正月の時期は普段全くテレビ広告を行わないブランドでさえ、テレビ広告(全国版)を放映します。私が以前店長を務めていた某ブランドもそうでした。普段は全く広告を打たないのにもかかわらず1月限定でテレビCMを行います。
どうしてFCはお正月だけテレビ広告を放映するのか?
これは気になったので当時、FCのスーパーバイザーに聞いてみたところ、
「テレビの広告費は高額の為、FCフィーで毎月賄うことは難しく、1番効果の高い時期だけ放映している」
とのことでした。
それ、、、本当?と今なら突っ込みたくなっちゃいます。笑
・テレビ広告の費用は高額である→◯
データからも他の広告媒体に比較して高額です。その分リーチする見込数は大きいのでしょう。
・FCフィーで毎月放映を賄うのは難しい→△
それは企業努力ではないのでしょうか。。。
・1番効果の高い時期だけ放映している→?
私の所属していたフランチャイズの場合は1月限定で放映していました。費用対効果で考えると、果たして1月が1番良い時期なのでしょうか?
リーチする見込み数によって広告の費用が変わってくることを考えると、お正月のテレビ広告は視聴者数も多く見込まれることでしょう。
調べてみると広告業界は以下のような季節変動があるそうです。
繁忙期:3月(新年度・新生活期)
普通月:4月~6月(GW)
繁忙期:6月中旬~7月中旬(夏のボーナス期)
閑散期:7月下旬~8月(特に盆前盆中)
普通月:9月~11月初旬
繁忙期:11月中旬~12月初旬(冬のボーナス期・クリスマス・年末商戦期)
閑散期:12月中旬~2月
大晦日:正月は除く出典:総合広告代理店ア・アド・エージェンシー
http://www.a-ad.net/baitai/tv/tv-kimo.html
不動産業の繁忙期が12月~3月ということと併せて見てみると、大晦日とお正月を除いた閑散期:12月中旬~2月は広告費用も安くテレビ広告が出せそうなことがわかります。
まとめ
お正月に不動産業者の広告が増える理由は
- 繁忙期であるため不動産ポータルサイトが広告を多く出している
- 普段広告を出さないフランチャイズを行うブランドが広告を出している
- 実はお正月といいつつ大晦日とお正月以外に広告を行うことによって広告業界が閑散期の為、コストが安く抑えている(ここはもっと調査が必要)
ということが考えられます。
ただ一つ考えたいことは、フランチャイズ業者のテレビ広告は誰のために出しているのか?ということです。
例えば1月限定で放映した場合、コストを安く抑えることが出来るだろうが、他社ブランドも一斉に放映している為ブランド名は埋もれてしまうでしょう。本当に費用対効果を考えた場合に1月限定でテレビ広告を放映することは効果的なのだろうか?他にも様々な媒体はある、方法もあると思う。
そう考えると、テレビCMは老若男女問わず目にする可能性のあるCMであるから、効果云々ではなくフランチャイズ加盟店のオーナーの目に止まること、つまりは顧客満足度(加盟店満足度)の為のCMなのではないかと疑いたくなってしまう。
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