11㎡で1泊3万円!?【アパホテルのビジネスモデルの凄さ】
アパホテルといえばどんなイメージだろうか?
私の場合は低価格で高品質、ちょっと狭いけれど出張する人の強い味方。というものです。しかしどうやら、そんな単純なものではないよう、自らのホテルを環境対応型ホテルと位置づけて戦略を立てているようです。
その様子が日経MJに掲載されていました
2016/01/27 日経MJ
「アパの客室は小さいのではない。運営コストを下げるため、確信犯で小さくしている。だが、合理的なつくりのアパに泊まるとほかのホテルには泊まれなくなる」(外志雄代表)昨年末、東京都港区にオープンした品川泉岳寺駅前店の開業式典で外志雄代表は「アパが展開する高品質、高機能、環境対応型のホテルは世界最強のモデルだ」と強調した。超合理的なホテルも突出した利益の源泉となっている。
一般的にはシングルルームは15平方メートル程度だが、アパでは11平方メートル程度に抑え、ホテルの客室数を増やしていく。例えば、昨年9月にオープンした訪日客の利用が多い東京・新宿の歌舞伎町タワーは全620室だが、他社施設に比べ3割ほど多く客室数を確保できる計算となる。客室の供給力を高め、稼ぐ力も強化できるわけだ。
(中略) 売上高に占める営業粗利益率は通常、30~40%で採算性の良いホテルとされるが、都心のアパホテルは平均で70%程度という。投資回収期間は1カ所で10年。「他社の半分の期間で回収できる」(外志雄代表)
私は大学院在学中に、ホテルビジネスに興味を持っていたので、ホテルビジネスに関する講義を受講していました。講義の中では様々なホテルのビジネスモデルを見てきました。
日本全国どこのホテルに共通して言えることはバブル期の「華々しいイメージのホテル」は現代では通用しないということ。収益を見ていても「結局これって薄利多売のビジネスモデルじゃなければ通用しないじゃん…」と感じることも多く、子供の頃に訪れた旅行先ホテルで抱いていた特別感や高級感は現代では不必要とされているように感じ、なんだか寂しい気持ちがしていました。
例えば古くから続く老舗ホテルが行う業績改善策としては「宴会場を減らす」「ホテル内レストランを自社で持つのではなく、テナントを入れる」「無駄に広い駐車場スペースは無くす」「テーマパークのパートナーホテルとなる」などなど、無駄な経費を削減したりより効率化を目指すことで業績改善を目指すものが中心となっていました。
需要に基づき市場価格は決まる(元谷芙美子社長)
これまで学んだこれらのことから、私のホテルに対するイメージとしてはブランドに誇りを持ちつつも経営努力によりなんとか維持している老舗ホテルと、低価格化・効率化に特化し数をこなそうとするビジネスホテルという2極に分かれているというものでした。
アパホテルは当然低価格の後者にあたる。
そう思っていたのですが、実はアパホテルでは繁忙期や特定の混雑期においては、都心のシングルベッドの客室で1泊3万円の時もあるそうです。
特定の混雑期ってなんだ?と思う方もいるかもしれませんが、ずばり嵐やEXILEのコンサートです。ニュースになるほどの混雑ですから言われれば納得という方も多いはず。
インタビューを読んでいると、狭い部屋を作り、時に周囲が驚くような高い値付けをするアパホテルに対し、業界の反感もあるようです。私もこの記事を読んでいて、今の不動産業界に通じるところがあるなーなどと感じてしまいました。
心に引っかかるのは元谷芙美子社長の「需要に基づき市場価格は決まる」ということ。
値段を決めるのは市場です、絶妙な価格設定で利益最大化を図るのがビジネスの上では評価されることです。
賛否両論あると思います。「求めるものは人それぞれ」とも思います。しかし、多くのシェアを持っているということは、時代を牽引する「今求められている企業」でもあるのだと思います。
企業の目的は利益の最大化と言われればそうですし、実際に多くのシェアを得て、顧客から求められているのも確かなのですが、なんだか引っかかる。そんな感じです。
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