香港投資家の不動産管理代行【海外投資家の今後の動向についての考察】
2015年5月11日の日経産業新聞朝刊に以下の様な記事が掲載されていました。
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香港投資家の不動産管理代行
東急不動産ホールディングス(HD)系の東急住宅リース(東京・新宿)は香港在住の投資家を対象に、不動産管理の代行サービスを始めた。投資家が東京23区内のマンションを購入した場合、家賃徴収や管理費の支払い、修繕費の積み立てなどの業務を代行する。
東急不動産HDの提携先の新生銀行グループのローンを利用してもらうほか、東急不動産HD傘下の東急リバブルによる仲介物件を購入するのがサービス提供の条件。増加傾向にある日本国内への投資需要を取り込む。
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今日はそれにまつわる疑問が浮かんだので、少し調べてみました。
そもそも日本の不動産を外国人の方が購入できるのか?
まわりで外国人の友達が不動産を購入したという話もよく聞きます。けれどそれが本当に可能なのか?よく分かりませんでした。調べてみると、外国人土地法という法律が日本にはありました。
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外国人土地法
(大正十四年四月一日法律第四十二号)
第一条 帝国臣民又ハ帝国法人ニ対シ土地ニ関スル権利ノ享有ニ付禁止ヲ為シ又ハ条件若ハ制限ヲ附スル国ニ属スル外国人又ハ外国法人ニ対シテハ勅令ヲ以テ帝国ニ於ケル土地ニ関スル権利ノ享有ニ付同一若ハ類似ノ禁止ヲ為シ又ハ同一若ハ類似ノ条件若ハ制限ヲ附スルコトヲ得
(出典:総務省法令データ提供システム)
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これを要約すると、国が、日本人に対して、その国の土地の所有を禁止したり、制限したりしている場合、その国の国籍を有する外国人に対して日本の土地の所有について、同様の制限を政令によってかけることができると定めているのです。
また第4条では国防上必要と判断されれば、外国人・外国法人の土地に関する権利の取得を制限することが出来ると定めています。
しかし、この法律に基づく政令はこれまで制定されたことはありません。
つまり、外国人の土地所有は制限されていません。(2015.5.12.現在)
他の国はどうなのか?
今回新聞にとりあげられている香港は個人や外国人による土地の所有を認めておらず、土地の所有権は全て香港政府の所有となっています。お隣り、中国でも全ての土地の所有権は政府にあり、個人での土地の所有は認められておりません。
日本以外のアジア諸国では外国人の不動産所有は制限があり、簡単に所有することは出来ません。
何故、東急不動産HDは香港投資家を対象にサービスを始めるのか?
ここまで調査をしてわかったように、現在の日本の法律では外国人の不動産所有に対して規制がありません。
そして香港では、全ての不動産は政府に所有権があり、個人に与えられているのは賃借権にすぎません。個人による不動産の所有権を認めていないならば、「所有権登記が出来る日本の不動産に投資しよう!」と考える投資家もいるでしょう。
今後日本の不動産市場は、空き家が増え、供給過剰となっていくでしょう。そのような背景で、外国人投資家による資金が流れてくれば、需要供給のバランスは取れるかもしれません。
けれども「日本の土地を日本人が所有していない」というのも奇妙な話、私は外国人の不動産所有に対する法整備が始まるのではないかと考えています。
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