不動産業者は要注意!【話題の空き部屋住人装い詐欺について】
時代と共に巧妙化する詐欺の手口、新手の詐欺グループの手口として不動産業者を利用した手口が増えているそうです。
その流れとしては、オレオレ詐欺などで空家となっている賃貸物件の住所に現金を送らせ、それを入居者になりすまして受け取るというものです。
2015年5月13日の日経新聞によると−−−−−−−−−−
高齢者らに身内を装った電話をかけて現金をだまし取る「オレオレ詐欺」などで、賃貸住宅の空き部屋に現金を送らせ、住人になりすまして受け取る新たな手口が相次いでいる。私設私書箱への現金送付に対する警察の取り締まりが強まり、詐欺グループが別の手法を考えたようだ。警察は不動産業者に「管理する物件に不審な人物が出入りしていないか注意してほしい」と呼びかけている。
(出典:2015年5月13日 日本経済新聞 朝刊より一部抜粋)
—————————————————————————————
実は、不動産屋を利用して空き部屋に入るのは容易
部屋探しをされたことのある方ならお判りでしょうが、不動産屋を利用して空き部屋に入るのは容易です。
むしろ、問合せをすれば、いくらでも空き部屋の情報を教えてくれるばかりか、「是非、内覧なさってください!」と申し出てくれます。
内覧時には鍵を所持する貸主(管理会社)に不動産業者が鍵を借りに行くのですが、その際、自分の身分を証明するものは「名刺」のみ、大切な不動産の鍵は名刺一枚で貸し出されています。
もちろん、この慣習のお陰でスムーズに内覧が出来ますし、信頼関係で成り立っている良い部分でもあります。ですからこの部分の信頼関係を利用し犯罪を犯す詐欺グループの手口は許せません。
住人装い詐欺の疑問点
この手口には疑問点があります。
宅配物を受け取るためには、数時間物件内に滞在する必要があります。宅配業者の時間指定でもその範囲は約3時間刻みです。
この犯人はどうやって鍵を手に入れたのでしょうか?
気になるのは、鍵の入手経路です。
考えられる鍵の入手経路は・・・
- 業者が加担し、鍵を渡している
こればかりはどうしようもありません。しかし加担した業者はすぐに足がつくでしょう。 - 業者になりすまして鍵を受け取っている
貸主は名刺を見ただけで鍵を渡している現状があります。しかしこのような事件が起きているわけですから、名刺の会社を調べ、その人が在籍しているか?確認する必要があるでしょう。
この点、FAXを利用して内見依頼を行う古くからの慣習は、会社のFAXから送っているということであれば、番号を照会することで、犯罪を防止出来るでしょう。 - 鍵の隠し場所に注意!!
物件によっては当該物件のパイプスペースの中に裸で鍵が入っていたり、ポストの投函口に紐で貼り付けてあったり、不用心な鍵の隠し方をされている管理会社さんもいます。
内覧をするお客さんも内覧手配をした業者と共に移動していることから、これらの隠し場所を知ってしまいます。
最低限、鍵のついた場所に保管するべきでしょう。
集合ポストに入れたよ!という不動産屋のあなた、以前書いた記事のこの方法で開けられてしまいますよ。
不動産屋さんと物件オーナーが気をつけること
警察から不動産業者に注意を呼びかけてきているものの、今後、我々不動産業者はどう気をつけたらよいのでしょうか?
また、不動産オーナーさんはどうやって自分の物件が犯罪に使われることを防げばよいのでしょうか?
- 業者の確認を徹底する
物件管理をする不動産業者は内覧依頼をしてくる不動産業者の確認を徹底する必要があるでしょう。管理物件によっては難しいでしょうが、出来れば立ち会いをするのが良いでしょう。 - 内覧が長い業者に注意
鍵を貸し出したのに、いつまでたっても返却されない場合は注意すべきでしょう。合鍵を作成しているかもしれません。 - わかり易い場所に隠さない
犯罪を犯そうとする人間であれば、それを見逃すわけがありません。注意が必要です。
今回は詐取ですが、人の命に関わる犯罪に利用されることも出てくるかもしれません。全ての犯罪を未然に防ぐためにも我々不動産業者が出来る心がけを徹底しましょう。
そして不動産オーナーさまは、信頼できる不動産業者に物件管理を委託して下さい。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
不動産のご相談は
MBA不動産ケン・トータル・コンサルティングへお問い合わせ下さい。
株式会社ケン・トータル・コンサルティング
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−