技術進化と利便性【スマホ鍵は鍵ではないのだ】

不動産の玄関ドアを解錠する方法として、スマホを鍵として利用するサービスがあります。技術の進化による利便性の向上、同時に新たに増える犯罪リスク。

IT・AI・IoT…何でもかんでも対応させるのではなく、どこまで対応させるかの線引が大切なのだと思います。

ずばり言います。スマホ鍵は鍵ではないと考えるべきです。

 

内見の鍵をスマホで

2017/05/07  日経MJ

 賃貸アパートの経営を支援するインベスターズクラウドは不動産物件の内見用の鍵をスマートフォン(スマホ)で代用できるサービスを始めた。不動産事業者との鍵の受け渡しをなくし、手軽に内見できるようにした。7月末までの約3カ月、関東圏の空室物件を対象に試験導入する。反応を見極めた上で、サービスを全国に広げる。
 住宅のドアに取り付けると、スマホなどで玄関の鍵を開け閉めできる「スマートロック」を自社の管理物件に導入し始めた。入居希望者や仲介業者向けの内見予約サイト「mireru(ミレル)」を開設し、新しい仕組みを使った内見者を募集する。
 利用者はまず、同サイトで空き物件の内見を希望する日時や、自分の氏名やメールアドレスなどを登録する。登録した後、予約者のメールに鍵のURLが送付される。内見の予定時刻から30分間、自分のスマホを使って鍵の開け閉めができる仕組みだ。
 部屋内にはタブレットを導入する。内見者と物件の所有者が直接会話できるようにする。内見者と不動産物件のオーナーの双方の利便性を高めていく。
 まずは関東の物件数室を対象に導入を始める。いたずらなどのリスクを回避するため、内見には管理会社であるインベスターズクラウドの社員か物件の仲介業者が立ち会う。

おぉ、これは便利!

・・・・と言ってみましたが、実はこの手のスマホ鍵の製品は1年ほど前からポツポツ出はじめていて、僕も導入しようかなと考えたことがありました。

 

 

いくつかの問題

結局、この手のスマホ鍵は、物件に鍵をつけなければなりませんから、部屋ごとに新たに新設しなければなりません。誰が費用負担するか?となればオーナーか管理会社になるわけです。費用は鍵一つあたり3万円程度でしょうか。結構な費用ですよね。

 

何よりも「鍵」であるということ

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スマホ鍵の一番の問題点は「鍵である」ということに尽きます。

鍵は所有者でなければ開けられないという大前提があります、それによって鍵の内側にあるものを守るのです。

スマホ鍵は鍵の所有者でなくても開けられるようにするものです。

まさしくこのヤマアラシのジレンマのような部分が最大の悩みになるのではないでしょうか。

 

 

スマホ鍵は決して鍵ではない

少し大胆な発言をしてみたいと思います。

スマホ鍵は鍵ではない

上記したように、スマホ鍵を鍵として認識するには、問題がつきまといます。それは技術の進歩、活用に大きな弊害となります。

であるならば、スマホ鍵を鍵として認識するのを一度やめてみるのはどうでしょうか。

 

内見での利用として考えれば、あくまでも内見をサポートするツール。であれば、これまで鍵を持ち運んでいたor問い合わせをしていた作業の一つが減るくらいに捉えるのです。であるならば、メールの登録で内見をさせる・・・や、現地にタブレットを置いて・・・、というのは飛躍しすぎかなと思います。

そこまでは、技術革新は追いついていないと見るべきだと思うのです。

 

防犯は防犯、鍵は鍵としての能力を突き詰めるべきで、スマホ鍵はスマホ鍵としての能力を突き詰めることが利用者を増やす鍵になるのだと思います。

 

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