三回に分けて書いてきました「私が不動産屋として仲介手数料を頂く理由」ですが、いよいよ今回で最後になります。
私が不動産屋として仲介手数料を頂く理由(前半戦)
私が不動産屋として仲介手数料を頂く理由(中盤戦)
最終回の後半戦では、不動産屋として私が行う仕事を簡単にご紹介します。
私の考える不動産仲介の仕事
1.物件を探し始める前に・・・
多くの場合、不動産屋に掲載されている物件情報に気になるものがあり→問合せという流れで物件探しは始まると思います。しかし私は、この流れに反対です。
なぜなら、不動産賃貸でも契約金や総支払額は高額になるからです。例えば月額10万円のお部屋を借りたとして一般的な契約金は60万円前後です。
例えるならば、あなたはふらっと立ち寄ったお店で頭金60万円、毎月ローンの支払い10万円の物を衝動買いしますか?
私だったらものすごく悩みます。そして、プロの意見を聞きたい!と思います。
弊社では、初回お打ち合わせ時に、一切、物件情報をお出ししません。
お急ぎの方には申し訳ありません。私は、初回のお打合せの際には、物件情報をお見せしておりません。
どうして「あなたが」「今このタイミングで」「その場所にある不動産」を、選んだのか。この納得を共に考え提供するのが不動産業だと私は考えています。
いきなりお客様のことも知らないのに、物件をご紹介しても良い物件をご紹介できるとは思えません。
大切なのは進める前の準備
例えばビジネスで考えた時、「予算とスケジュールが決まっていないけど、とりあえずやってみようか〜!」というA社、「予算とスケジュールはこんな感じで、事前情報を集め起こりうる事態を想定、新しく入ってくる情報には臨機応変に対応できるよう準備する」というB社。どちらの事業の方が成功する可能性が高いでしょうか?
ちょっと極端な例ですが、事前準備したB社のほうが成功出来そうですよね?
ですから私の場合、まずはお話を聞かせて頂き、「どなたが」「いつ」「どこへ」「誰と」「なぜ」「何のために」「どのようにして」引越をしたいのか、お話いただける範囲でお聞きします。
それを整理した上で、時には必要な調査を行い。『全体のスケジュールや予算のあたり』をつけていくのです。これをするとしないとでは、手順の面でも、物件探しの質についても大きな差が出てくるのです。
2.物件探し中
お部屋探しには適切なマネジメントが欠かせません。不動産業者は優秀なエージェントかつ、優秀なマネージャーでなくてはならないのです。
事前にお話を聞いた上で早速物件探しに入っていくのですが、ここでは積極的に探すべき期間、そうでない期間があります。
例えば、「良い物件が見つかったとしても今住んでいる場所と二重家賃が発生するのはNG」という方の場合は、早く探しすぎてもいけません。全ては事前のスケジューリングに掛かっているというわけです。
また、物件探しを依頼しつつも、ご自身でポータルサイトで探したい!という方もいらっしゃると思います。その場合、気になる物件名等をお知らせ頂ければ、弊社で、その物件が地域相場と比べてどうなのか?条件設定はどうか?など、お客様にとって必要なデータを客観的に検証しご提供致します。また、業者を介して問合せをすることにより、おとり物件に引っかからなくて済むというメリットもあります。
3.物件が見つかった後
申込→契約→引越
物件が決まった後はお申込みをして頂き、審査通過後に契約、そしてお引越しです。この期間は特に慌ただしく進みますが、契約内容は事前にチェックし、極端に不利な条項は無いか?などを確認します。
引越し屋さんの手配や、ライフラインの手続きのお手伝いなど、ご希望に応じてお手伝いします。
引越終了後〜1ヶ月
私は10年ほど不動産業をおこなっていますが、正直なところ、物件は住んでみないと分からない部分があります。
時には、入居者様(お客様)が自分に全く非がないにもかかわらず、部屋に問題が出てくる場合もあります。そういった場合、お引越しが完了した後であっても無料でご相談に乗らせて頂き、必要に応じて適切な手段を講じ、ご対応させて頂きます。
万が一、お客様に全く非がない状況下で当該不動産に継続して住むことが出来なくなってしまった場合には、30日以内のお申し出であれば、次の物件は仲介手数料無料でご紹介させて頂きます。(※原則、同等の物件に限ります。詳細はお問い合わせ下さい。)
弊社では原則として仲介手数料の割引をしておりません。しかし、「お客様が物件を見つけ安心して住むことが出来る」ということが私のサービスの終着点ですので、それが達成されるまでが私の仕事と考えているのです。
おわりに
「私が不動産屋として仲介手数料を頂く理由」はこれが最後とは言ったものの、世の中のニーズや技術の進歩によって求められる仕事は変わってくるものだと思います。
90年台に行われていた紙を中心に情報を売っていた不動産業が2000年以降インターネット中心になったように、インフラ自体が変化しサービスに影響を与えることすら考えられます。ですから、時代の流れを掴み、常に必要とされるサービスや商品を提供できるような会社でありたいと思います。
ケン・トータル・コンサルティングでは現在、1件の物件情報も掲載していません。今後、どうしてもおすすめしたい物件情報は多少告知するかもしれません、けれども、たくさんの物件情報を掲載し、物件でお客様にアピールするような営業方針は取りません。
そもそも仲介は、あくまで仲介が商品ですから、不動産屋自身が商品ということになります。そこで物件を売りにするのもおかしな話です。(物件を売りにするのは貸主さんや、管理会社でいいですよね)
こんな不動産屋のスタイルですが、これまで共感してくださったお客様と、これから共感してくださる方の為にも日々、学び、知識を蓄え、努力し、邁進してまいります。
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