【星野リゾート民泊に参入を検討。民泊の行方を考える。】

別荘を貸し出すというのは海外では特別なことではありません、さらに星野リゾートのような著名なところが管理しているとあれば貸す側も借りる側も安心することでしょう。

民泊の行方

星野リゾートの民泊と、今流行りの日本の民泊では、２つの異なる点があります。

まず1点目は『別荘と都心マンション』という違いです。別荘はそもそも所有者が休暇を楽しむため、一時的な滞在を考えて建てられたものです。そして別荘地はそういった人たちが集まり滞在する場所ですから、昨日まで住んでいなかった家に突然隣人がやってきてもおかしなことはありません。また、海外では所有している別荘を短期滞在用に貸し出すことはごく普通に有り得る話です。

2点目は、ホテルクオリティ管理と個人管理の違いです。記事の内容だけではどこまで星野リゾートがサービスを行うのかわかりませんが、ブッキング管理やベッドメイクなどのクリーニングサービスのスキルを既に持っている星野リゾートと、個人管理では大きな差が出てくると思います。個人の方が業者に依頼することもありますが、短期滞在の利用者に対するサービスにおいて発展途上中の民泊サービスはホテルに敵わないのではないでしょうか。

民泊利用者の状況から考える

民泊を投資対象として考えるならばまだ良いのですが、自分も利用する不動産であった場合には、民泊利用者の状況を一度考えなければなりません。

どんな人が民泊を利用するのか？を考えれば、それは・・・

ホテルに泊まらない人・泊まれない人・泊まらなくてもいい人

→出来るだけ安く泊まりたい人、宿泊施設が満室で泊まれなかった人、個人宅に泊まっても気にならない人

ということになります。

「利用者はホテルの代わりで宿泊代金が安い場所を求めている」と見れば、もしホテルが民泊並みに値段が下がってしまえばホテルを利用するでしょうし、利用者（観光客）と宿泊施設の需要供給のバランスで宿泊施設の空室が上回ってしまえば民泊事業者・個人は厳しい立場に追い込まれてしまいます。

そう考えていけば、ホテル事業者が民泊に参入してしまうのは、これから数年大きなライバルと成り得る敵を自らの手の内に抱え込んだと言えるでしょう。来日観光客の数が減れば自ずと民泊数は減っていくでしょうし、ホテルクオリティの民泊とあれば向かう所敵なしではないでしょうか。

宿泊旅行統計調査　平成28年1月~12月分
参考資料：国土交通省　http://www.mlit.go.jp/common/001190401.pdf

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